やきもの随想

「一焼き、二土、三細工」



粘土の来歴
土にも個性が
稲藁の痕
弥生の土(1)
弥生の土(2)
難波津焼



造形方法
美の背景
ビールマンとフォスベリー、そして末續慎吾


釉薬とは
灰の不思議
灰汁



焼成方法
火=炎の力




陶芸とやきもの
偉大な韓国人
感性的感情
劫の想像力
水晶を飼う

粘土の来歴


やきものにとってもっとも基本的な原料であります「粘土」のはなしです。
粘土はどこにあるかご存知ですか?ちょっと考えてみてください。…

 身近なところでは、田んぼの土が粘土です。田んぼの土でも立派な器ができます。畑の土は粘りが足りなくて無理かもしれませんが、水を加えて形ができるようであれば、やきものになります。雨上がり土の道(山道など)を歩いて、靴底にへばりついた土は粘土です。工事現場で土を掘っているところにも粘土を見かけることがあります。このように考えると地面に露出した粘土もあれば、地下深く眠っている粘土もあることに気づきます。

ところで粘土はどのようにしてできるのでしょうか?
(以下の話は受け売りです)
「地球を取り巻いているいろいろな岩石は、もとをただせばすべて火山活動の結果できた火成岩です。お墓にする花崗岩(御影石)は、私達のもっとも身近な火成岩のひとつです。花崗岩質の岩が長年の地球内部からの熱水の作用を受け化学的に風化すると、腐ってやや土っぽい石になります。この石が陶石で、砕いて磁器の原料にします。この陶石がさらに長い時間が経つともっと分解され水や風によって遠くへ運ばれてゆきます。水に流され遠くへ運ばれる途中で、粒の粗いものは沈殿し、粒の細かいものはさらに遠くまで流されて堆積します。比較的早く沈殿、堆積して粘土になったものを一次粘土、遠くまで運ばれて堆積したものを二次粘土と呼びます。一次粘土にはカオリン。二次粘土には木節粘土や赤土などがあります。」

カオリンとは不純物の少ない真っ白い粘土です。
木節粘土とは倒木などに、運ばれてきた土が詰まり長い年月をかけて腐って、それが粘土になったところに名前の由来があります。動物やその他の生物の死骸も微生物によって分解されますので、木節粘土のなかにはそんな死骸も含まれていたことになります。








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