イトトンボ

蟻地獄
イトトンボ
山本家のメダカ











春先から秋にかけ多くのトンボがやってくる。シオカラトンボ、オニヤンマ、ナツアカネ、アキアカネなどが姿を見せるが、なんといっても一番多く見かけるのがイトトンボだ。正確にはモノサシトンボという。
涼やかな色、可憐な姿,優雅な飛形で夏の暑さをひと時忘れさせてくれる。

シオカラトンボやオニヤンマは羽を広げて停まる。広げた羽を微妙に動かせながらものの気配を感じているようだ。羽を前方に深く傾けると、飛び立つ前兆である。
イトトンボは4枚の羽をきっちり閉じて停まる。4枚の羽はほとんど同じ大きさだ。『私の美しい姿を見てください』とでもいうように、じっと佇んでいる。どんなに近寄ろうと飛び立つ気配がないのである。飛び立っても再び
同じ辺りに停まろうとする。人間をほとんど警戒していない。





「私はトンボの仲間ですが、ちょっとトンボらしくないんです。
大空高く、スイ、スイ飛ぶトンボのイメージとはひどく違うんです。
低空飛行で、草の間をフワフワ、水辺をゆらゆらと、渡り歩くのが好きなのです。
急上昇、直滑降は大の苦手、とんぼ返りなんて思いも及びません。
どちらかというと、蝶の方に近いかなぁ。羽を閉じて停まるところも似ているし・・・・・でも、ひらひらという感じでもないし、おしろいは大の苦手だなぁ。
私はやはり私です。

前から見るとカマキリの顔に見える?
でもカマキリは大嫌い。私を狙って待ち伏せているんです。
私の大好物は蚊や蝿です。自慢の動体視力で飛んでるところを捕まえるんです。
時には飛んでる天道虫も食べることがあります。

私は地上スレスレ、水面スレスレの高さからせいぜい人間の背の高さまでの間でしか移動しませんが、移動しながら生まれてきた喜びを感じています。
人間から見られるのも、わりと好きです。
でも、こんな光景を見たことがあります。
シオカラトンボを捕まえて、胸部を糸で縛り、飛ばすのです。また奥さんのムギワラトンボのお腹を千切り、そこに麦わらを差込み、飛ばすのです。
私は毎日同じところを回っています。毎日でも会うことができるのです。」





風気庵のHomeへ]