徒然の記

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2004年11月1日(月) 花生け

ちょっと変わった花生けを作りかけています。
四つの箱を最終的には直列に四つ並べようというものです。
どうなるでしょうか?




このふたつの直方体を重ねる


2004年11月2日(火) 朝もや

今日、一日暖かい陽射しに恵まれました。
朝一番は、深い霧でいつもの風景が別世界でした。
これからはこんな風景をよく目にすることになります。


朝もやにかすむ城山


次の電柱が見えない。朝のウォーキングをするふたり連れ


2004年11月3日(水) 寒天

大阪高槻市では十数年前までは冬期、水田に寒天の干場が作られ簾の上で干されている寒天を目にしたことがありました。今ではまったく見かけることはできません。豊能町や能勢町でも作られていたのですが、高槻市より早く、生産を中止したようです。
ところが、一ヵ所まだ寒天を作っているところがあります。
寒天は天草を煮てそのエキスからトコロテンを取り出し、冬の寒い朝2〜3日かけて凍結させ、それを冬の陽射しで2週間くらいかけて乾燥させて作ります。
従いまして寒天は冬にしか作れないと思っていましたが、ここの寒天は冬の時期以外にも作っているのです。驚きです。
なにか特殊な技術で作っているのか、ひょっとして寒天に似た別物かもしれません。謎です。


のどかな寒天干場


寒天と思うのだが……


2004年11月4日(木) 多田銀山

能勢町の隣町、兵庫県猪名川町に多田銀山があります。
古くは東大寺の大仏鋳造に使われたと言い、豊臣秀吉の埋蔵金が眠っているとも言われています。昭和48年頃まで採掘が行われていたそうです。
十数年ぶりに尋ねてみましたが、間歩(坑道)などが整備され見学できるようになっていました。


左に見える鳥居のような入り口(間歩)を入ると、下の写真



2004年11月5日(金) 花生け(つづき)

11月1日の花生けのパーツ、くっつけました。


無事、焼き上げることができるでしょうか?


2004年11月6日(土) 木の生命力

9月9日の「徒然の記」にも書いていますが、台風で折れた木をチェーンソーで根元の辺りから切り倒してから約2ヶ月が経ちます。
この木はその時の楡の木ではないのですが、秋だというのに、写真のように切り株から数多くの新芽が出てきました。たくましい生命力を感じます。

2004年11月7日(日) 落葉すると

落葉する木が増えてきました。
春先から夏の盛り、あれだけ緑の葉を茂らせていた木も葉を落とし冬支度です。
葉のない木を眺めると、木の別の一面が見えてきます。
木には多くの枝があり、太い枝から細い枝まで繊細な表情でたたずんでいる様子がわかります。
力強い幹の太さから、細い枝まで、立派です。



2004年11月8日(月) 灯油窯入手

兄弟弟子から灯油窯を譲り受けました。
外形はそんなに大きくはないのですが、カタログデータによると1トン近くもあって、細い急傾斜面のある工房の入り口を運ぶのが大変だと思っていました。
ところが、こういう作業に非常に詳しく手馴れた知人と造園業者の助けを借り、思いのほか楽に搬入することができました。
皆さんに感謝です。


兄弟弟子の工房から灯油窯を搬出


工房に着き、急斜面を移動させる。道が曲がっているので一筋縄ではいかない。


途中に支柱を立て、そこまでウインチで引張あげる。


W滑車(動滑車)を2つ使ってウインチで引っ張りながらコロの上を移動させる。


平らなところは楽に移動する。動滑車2つで力は1/4。


最後の難所も難なくクリアー。


90度向きを変えて……


基礎石の上に設置。移動は完了。


2004年11月9日(火) 秋の夕暮れ

このところ晴天続きです。
今日は特別暖かく、まさに小春日和。
晴天は明日まで続くそうです。
夕方、師匠の所に行き、八木一夫の黒陶の話などをし、師匠の黒陶とヤマノイモを頂いて帰りました。


遠慮がちな夕焼け。いい感じ。


2004年11月10日(水) 落ち葉

紅葉の季節を迎えます。
落ち葉もなかなか見事なものです。
つややかな赤。
一枚の葉の中に様々な赤有り。
虫に食われた形も作為が無く、無為。
木の幹や枝もお手本ですが、葉もお手本です。


2004年11月11日(木) 雨間の苔

この時期工房の地面は落ち葉に覆われ土の見える面積は減少します。
ちょっと水を含み、しっとりとした落ち葉と緑鮮やかな苔。
いつも目にしているはずなのに、この苔に目を奪われました。
整列でもしているかのように妙に規則正しく並んでいます。


2004年11月12日(金) 雨の雫

枝の先に溜まった雨の雫。
水滴に自らの姿を映しています。



2004年11月13日(土) 秋の夕暮れ(2)

山間部の日没は意外と早いものです。
まさに山の端に隠れようとしています。
池の周囲に群生しているススキも勢いをなくしていますが、それはそれで風情を感じます。
空、雲、太陽、山、池、ススキ……日本のいなかのどこでも見られる秋の夕景です。


2004年11月14日(日) マルセル・デュシャン展

恩師の絶学無為の閑道人とマルセル・デュシャン展を見てきました。
これは大阪万博跡地にあった国立国際美術館の中之島移転に伴う柿落としとして開催されたものです。
デュシャンは芸術の変革者だけあって一風変わった展覧会でした。
デュシャンの作品から感覚を刺激する美しさを期待して会場に足を運んだ人は失望を感じることでしょう。
デュシャンの作品を見ることは謎解きゲームに参加することなのですから。
そしておよそ一世紀にも亘って世界中の芸術家や学者、批評家がこのゲームに参加してきました。
会場にもデュシャンの作品とは別に、世界各国の芸術家や批評家がこの謎に挑む作品が展示されています。これらの作品がデュシャン芸術の解釈の多様性を示す証拠でもあります。
未だ決定的な結論はでていません。
謎を掛けたまま亡くなったデュシャン、誰がその謎を解くのでしょうか?


中之島にオープンした国立国際美術館。展示スペースは地下に広がる。


国立国際美術館のホームページ

デュシャン芸術を老荘思想、道教から解釈した絶学無為の閑道人のホームページ

2004年11月15日(月) 朝靄(2)

早朝の温度差が朝靄を生み出しますが、そのような気象条件が続いています。
11月2日の朝靄と同じ城山にかかる霧です。




城山とは違う、低い山


2004年11月16日(火) 穴窯焼成(1)

師匠の穴窯焼成の助っ人に行きました。
15日の朝からあぶりを始めていましたが、私が駆けつけたのは16日の22時くらいでしたでしょうか。
10月に登り窯を焼いたばかりで、続けての窯焼きとなりました。


窯の側面から火を噴出している。


熱くて窯に近づくことができず良い写真ではありませんが窯の中の様子。まだまだ低温です。



2004年11月17日(水) 穴窯焼成(2)

師匠を除いて焚手が5〜6人いるので、睡眠をとりながら焼くことになります。
私はほとんど寝ていました。
登り窯ほど大きくはないのですが、薪を窯に放り投げるときの暑さは穴窯のほうが上です。
この日は、体力を持て余している若者が薪を割っていました。
16時ころ、窯焚きは終了しました。


窯場からみた朝の風景




2004年11月18日(木) 柚子

工房の端に柚子の木があります。
今年はたくさんの実をつけています。
木には鋭いとげがあります。
柚子そのものも香りと味で料理を引き立てますが、柚子胡椒や柚子味噌も私の味覚のなかでかけがえのない位置を占めています。


2004年11月19日(金) 秋の夕暮れ(3)

工房から西の空を望みました。
太陽は木の幹に隠れ、風景をシルエットにしてくれています。


2004年11月20日(土) 葉と実

時々車で通る道。
こんなにも蔦が絡まっていたのかと思う風景が目に留まり車を引き返しました。
何気ないシーンですが、写真で切り取りました。



柿の葉は落ちるなか、柿の実は落下せずにしぶとく枝に付いて残っています。

2004年11月21日(日) 穴窯窯だし

なか3日おいて穴窯の窯だしです。
最後のオオクベ(焚口いっぱいに薪を入れること)で作品の仕上がりは一変したようです。
灰が作品を被い、渋い上がりになりました。


上段の左、中段の右奥の首のない丸っこい壺が私の作品


後方に見える急須が私の作品


2004年11月22日(月) 鹿の角

最近は日本全国で、人里での熊の出現が話題になっていますが、能勢でも熊が柿木に登っていたということです。
能勢にはたくさんの鹿がいます。
数年前の朝日新聞に能勢の山際の草むらに鹿が十数匹集団でいる写真が掲載されていましたが………
写真は子牛ほどもあった鹿の角です。



2004年11月23日(火) 小春日和

あまりにも良い天気なので食後、カメラ片手に散歩しました。
道端にタンポポの綿毛のついた種子がありました。
また近くの川にはカモが数羽水遊びをしていました。
近所の川にカモがいるとは知りませんでしたが、知り合いの住職の話ではたくさんいるということでした。
新しい発見でした。


美しい


右下に綿毛のついた種が見える


陽射しを受けて気持ち良さそう


2004年11月24日(水) 秋の夕暮れ(4)

毎回同じような写真で、心苦しいのですが……
工房から眺めた西の空と東の空、同時刻の写真です。




2004年11月25日(木) 松なのに杉

ヒマラヤスギという木があります。
スギという名が付いていますが実はマツです。
師匠の工房に台風で倒れたヒマラヤスギが40〜50pに切断され、積まれていました。
ヒマラヤスギは大木で、斧で薪にするにはためらいましたが、「簡単に割れる」ということで試してみました。
これが気持ちの良いほど割れるのです。
スギと違ってマツなので火力もあり、まことにありがたい木です。

2004年11月26日(金) 炭化

今度の窯で炭化の作品を作ろうと思っています。
炭化にはいろいろな方法がありますが、今回は籾殻を使って試みます。


このふたつの作品などの炭化(黒陶)を試みる


2004年11月27日(土) トックリバチの巣

土で上手に、まるで徳利のような巣を造る蜂がいます。
トックリバチといいます。
1.5pくらいの小さい巣ですが、見事です。
2〜3年前、トックリバチの巣を真似て1pくらいのものを作ったことがありましたが、トックリバチのほうが上手でした。
この巣は住むための巣ではなく、卵を生み、卵が孵るための巣だそうです。
写真の穴は、徳利の口の部分ではなく、巣の中で幼虫、さなぎ、成虫と育って巣を破って出た穴ということです。
徳利の口の部分は写真では穴の右下に月のクレータのように見える所です。

なぜ穴が開いてなくて、泥で塞がれているのか、お分かりでしょうか?
私も初めて知りましたが、ここをクリックしてください。
興味深いトックリバチの生態が紹介されています。


トックリバチの巣



2004年11月28日(日) 窯焚

25日の月が昇った辺りから朝日が顔をのぞかせますが、朝4時にスタートした今回の窯焚はどうなるのでしょうか。
炭化のため特殊な窯詰めをしたので、火の流れが従来とは変わってくるので興味深いといえます。

結果として、従来の窯より高温で焼成したのですが、窯の中を見ると釉薬が溶けていない部分もあり、従来にも増して温度差が出た窯となったようです。
焼成のコントロールと判断の難しい窯となったようです。開けてみるまでわかりませんが……


夜明け、雲、空、木


2004年11月29日(月) 木の鳥

たまに通る道ですが、いつもきれいに手入れをされている木があります。
主は植木屋さんでしょうか?


つめの先、羽の先から頭のてっぺんまでいつも手入れが行き届いています


2004年11月30日(火) 三十日の晦(みそかのつごもり)

11月も今日で終わり。
今日はみそかの、つごもりです。
つごもりは、月が籠る日で太陰暦では月の出ない、新月に決まっていました。
今は太陽暦なので暦と月の満ち欠けは関係しなくて、今日は大きな月が出ています。



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